エジプトのシナイ半島に位置するダハブは、紅海の美しい海と独特の緩やかな時間の流れから、かつてより世界中のバックパッカーに「沈没の聖地」として愛されてきました。しかし、2026年現在のダハブは、急速なデジタル化や通貨事情の変化により、以前の「安くて適当に行ける場所」というイメージとは異なる側面も持ち始めています。この記事では、2026年時点での最新のビザ要件、物価の変動、そして観光客が知っておくべき決済ルールや治安情報について詳しく解説します。
記事を読むことでわかること
- 2026年現在のエジプト入国ビザの料金と「シナイ半島限定」の免除ルール
- 主要観光スポットで義務化されているクレジットカード決済の最新事情
- 世界最安級と言われるダイビングライセンス取得費用と滞在コストの相場
- シナイ半島南部の治安状況と移動時に頻発する検問への対策
2026年のエジプト入国とダハブ滞在の基本ルール
エジプトへの入国手続きは年々デジタル化が進んでいますが、ダハブがあるシナイ半島には独自の特例ルールが存在します。渡航の目的や期間に合わせて、適切な入国方法を選択することがトラブル回避の第一歩です。
アライバルビザとe-Visaの取得方法
通常、日本国籍保有者がエジプトに入国するにはビザが必要です。2026年現在、観光ビザ(シングル)の取得費用は25USドルです。カイロ国際空港やシャルム・エル・シェイク国際空港の銀行カウンターで到着時に取得する「アライバルビザ」が最も一般的で、この支払いは原則として米ドルの現金が推奨されます。事前にオンラインで申請する「e-Visa」も利用可能ですが、システム手数料が含まれるため総額は約44USドルとなります。また、公式サイト以外の代行業者サイトが検索上位に表示されるケースが多発しているため、申請先のURL確認が必須です。
シナイ半島専用の無料入国スタンプ
ダハブ、シャルム・エル・シェイク、ヌウェイバ、タバといったシナイ半島南部のリゾートエリアのみに滞在する場合、15日以内の滞在であればビザ代が無料になる「Sinai Only」という入国スタンプを利用できます。空港の入国審査で「シナイオンリー」と伝えるだけで適用されますが、このスタンプではカイロのピラミッドやルクソールなど、シナイ半島以外の地域へ移動することは法律で固く禁じられています。もしダハブ滞在後にカイロ観光を検討している場合は、入国時に必ず25ドルの通常ビザを購入しておく必要があります。
パスポート要件と入国カード
エジプト入国時には、パスポートの残存有効期間が6か月以上残っていることが必須条件です。また、機内または空港到着時に配布される入国カード(EDカード)への記入と提出が求められます。滞在先ホテルの名称や住所を正確に記載する必要があるため、予約確認書やメモを手元に用意しておくことがスムーズな入国のコツです。
2026年のダハブの物価と決済事情
近年のエジプト経済はインフレ傾向にあり、物価は上昇しています。特に観光客向けのサービスに関しては、現地通貨エジプトポンド(EGP)ではなく、米ドルやユーロを基準とした価格設定が定着しつつあります。
観光施設の完全キャッシュレス化
2026年現在、エジプト観光における最大の注意点は「現金使用不可」のエリアが拡大していることです。ピラミッドや博物館同様、ダハブ周辺の国立公園や一部の観光スポットでも、入場料の支払いはクレジットカードまたはデビットカードのみに限定されています。現金しか持っていない場合、入場を拒否されるケースがあるため、VISAやMastercardなどの国際ブランドのカードを複数枚携行することが絶対条件となっています。
【注意】PayPayなどの日本独自決済は使用不可
よくある質問ですが、PayPay(ペイペイ)、楽天ペイ、d払いなどの日本のQRコード決済は、エジプトでは一切利用できません。 また、Suicaなどの交通系ICカードも使用不可です。「スマホだけでなんとかなる」と考えて現金や物理カードを持たずに外出するのは致命的です。 ただし、Apple PayやGoogle PayにVISA/Mastercardを登録している場合の「NFCタッチ決済」は、対応している端末が増えてきています。基本的には「物理的なクレジットカード(VISAかMaster)」を必ず持ち歩くようにしましょう。
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宿泊施設の相場と長期滞在
ダハブの宿泊施設は、バックパッカー向けのドミトリーや簡易個室から、プール付きの高級リゾートまで多岐にわたります。安宿の個室であれば1泊20USドル前後から探すことができますが、快適なWi-Fi環境やエアコン完備の部屋を求めると1泊35USドル以上が目安となります。1か月以上の長期滞在(沈没)をする場合は、Airbnbや現地の不動産エージェントを通じてアパートメントを借りるのが一般的で、交渉次第では月額400USドルから600USドル程度で家具付きの物件を見つけることも可能です。
食費と生活用品の価格
食費に関しては、利用する店舗によって価格差が激しいのが特徴です。地元のエジプト人が利用する食堂でコシャリやファラフェルサンドを食べる場合、数百円相当で満腹になることができます。一方、海沿いの観光客向けレストランやカフェでは、パスタやピザなどの一品料理が10USドルから15USドル程度となり、日本と変わらないか、それ以上の出費となることもあります。飲料水や日用品はスーパーマーケットで購入できますが、輸入品は高額な関税がかかっているため、国産品を選ぶことが節約のポイントです。
ダイビングとアクティビティの最新事情
ダハブを訪れる旅行者の多くが目的とするダイビングですが、環境保護の観点からルールが厳格化されています。世界的な物価上昇の中でも、ダハブは依然としてコストパフォーマンスの高いダイビングスポットとしての地位を維持しています。
ブルーホールの入場料と規制
世界中のダイバーが憧れるスポット「ブルーホール」は、自然保護区に指定されています。入場には1人あたり15USドルから20USドル程度の入場料が必要で、前述の通りカード決済が基本です。また、サンゴ礁保護のため、指定されたエントリールート以外からの入水は厳しく制限されています。無許可でのドローン撮影なども禁止されており、現地の最新ルールを遵守しない場合は機材没収などのトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
ダイビングライセンスとファンダイブ費用
ダハブは「世界で最も安くダイビングライセンスが取れる場所」の一つと言われています。2026年現在の相場は、PADIオープンウォーター講習(機材レンタル・申請料込)で350USドルから450USドル程度です。すでにライセンスを持っている場合のファンダイブは、1ダイブあたり35USドルから45USドル前後ですが、10本以上のパッケージで申し込むことで単価を抑えることが可能です。多くのショップが日本人インストラクターや日本語教材を用意しており、言葉の壁を感じずに講習を受けられる環境が整っています。
その他のアクティビティと移動費
ダイビング以外にも、シナイ山でのご来光登山や、砂漠を四輪バギーで疾走するツアーなどが人気です。これらのツアー料金は30USドルから60USドル程度が相場です。ダハブ市内での移動は「ピックアップ」と呼ばれる乗り合いトラックの荷台に乗るのが一般的で、近距離であれば数十エジプトポンドで移動できます。シャルム・エル・シェイク空港からダハブへのタクシー移動は、片道40USドルから50USドル程度かかり、事前の価格交渉または送迎予約が必須です。
2026年のダハブの治安と安全対策
中東情勢の影響を受けやすいシナイ半島ですが、ダハブを含む南シナイ地区は観光産業を守るため、エジプト政府によって厳重な警備体制が敷かれています。
頻繁な検問とパスポート携帯の義務
ダハブ周辺の治安は比較的安定していますが、その安全は徹底した検問によって維持されています。空港からの移動や、ダハブから近郊の観光地へ向かう道路には複数の検問所(チェックポイント)が設置されており、全ての通過車両に対してパスポート確認と荷物検査が行われます。パスポート不携帯は重大な問題となるため、ちょっとした外出であっても、移動を伴う場合は必ずパスポートの原本を携帯する必要があります。
立ち入り禁止エリアと地域リスク
外務省や各国の渡航情報において、シナイ半島北部は依然として危険レベルが高く設定されています。ダハブから北へ向かう道路や砂漠の奥地には、観光客の立ち入りが禁止されているエリアが存在します。興味本位で未舗装の道路へ入ったり、許可のないガイドと砂漠へ入ったりすることは非常に危険です。行動範囲は必ず沿岸部の観光エリアと管理された道路内に留めることが鉄則です。
医療事情と健康管理
ダハブ市内には診療所や小規模な病院がありますが、設備は限定的です。ダイビングによる減圧症の疑いがある場合や、重篤な怪我・病気の際は、設備が整ったシャルム・エル・シェイクの国際病院へ搬送されることになります。医療費は高額になるため、救援者費用や治療費が無制限の海外旅行保険への加入は不可欠です。また、水道水は飲用不可であり、歯磨きやうがいにもミネラルウォーターを使用することで、水あたりによる体調不良を防ぐことができます。
まとめ
- 2026年のエジプト観光ビザは25USドル(現金推奨)
- シナイ半島南部のみ15日以内の滞在ならビザ代無料
- 無料スタンプではカイロやルクソールへ行けない
- エジプト入国にはパスポート残存期間が6か月以上必要
- 観光施設の入場料支払いはクレジットカード決済が必須
- ブルーホールの入場料は約15〜20USドル(カード払い)
- 安宿の相場は1泊20USドル、リゾートは100USドル以上
- 1か月以上の長期滞在なら宿泊費の交渉が可能
- 食費はローカル店なら激安、観光客向けなら先進国並み
- ダイビングライセンス取得費用は350〜450USドル
- ファンダイブはパッケージ予約で割安になる
- 減圧症治療には高額な費用がかかるため保険加入は必須
- 移動中の検問に備えて常にパスポート原本を携帯する
- シナイ半島北部の危険エリアには絶対に立ち入らない
- 水道水は飲まず、ミネラルウォーターを常備する
- 空港からの移動タクシーは40〜50USドルが相場
- Wi-Fi環境は改善傾向にありリモートワークも可能
- 薬物などの違法行為は重罪となるため絶対に関わらない
- 現地通貨ポンドと米ドルの両方を用意しておくと便利
- 最新情報を守ればダハブは現在も魅力的な滞在先である
2026年のダハブは、かつての無法地帯のようなイメージとは異なり、ルールと秩序に基づいた新しいリゾート地へと進化しています。キャッシュレス決済の準備やビザの知識を正しく持ち、安全に配慮することで、紅海の楽園での素晴らしい時間を存分に楽しんでください。

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