エジプトは多くの人々にとって憧れの旅行先です。ピラミッド、スフィンクス、王家の谷など、古代文明の遺産を目の当たりにすることは、人生における特別な体験となるでしょう。しかし、日本から遠く離れたアフリカ大陸への旅となると、どうしても気になってしまうのが「費用」の問題です。航空券、宿泊費、現地での観光費用など、トータルでどのくらいの予算を見積もっておけばよいのでしょうか。また、物価の変動や円安の影響はどうなっているのでしょうか。この記事では、エジプト旅行にかかる費用の全貌を詳らかにし、安心して旅の計画を立てられるよう、具体的な内訳と予算管理のポイントを解説します。
【※記事の情報について】 本記事は2025年12月時点の情報を基に執筆しています。現在、エジプトでは急激なインフレーションや為替変動により、観光地の入場料や交通費などの価格改定が頻繁に行われています。旅行計画を立てる際は、必ず最新の価格やレートをご確認ください。
記事を読むことでわかること
- エジプト旅行(3泊5日〜1週間程度)に必要な費用の総額目安
- 航空券、ホテル、食費、観光費ごとの詳細な価格相場
- ビザ代やチップ(バクシーシ)など、見落としがちな追加費用
- 旅行費用を賢く抑えるための具体的な節約テクニック
エジプト旅行の基本費用:期間とスタイル別の相場
エジプト旅行の費用は、滞在期間、旅行の時期、そして選択する旅行スタイルによって大きく変動します。まずは全体的な予算感を把握することが重要です。一般的に、エジプト旅行はアジア諸国への旅行と比較すると高額になりますが、ヨーロッパや北米への旅行と比較すると、現地滞在費を抑えることが可能です。ここでは、旅行の形態ごとに費用の相場を見ていきます。
3泊5日の弾丸旅行から1週間以上の滞在まで
エジプト旅行において最も一般的な日程は、6日から8日間程度です。日本からの移動に片道約15時間から20時間程度を要するため、現地での滞在時間を十分に確保するには、最低でも1週間前後の休暇が必要となります。
もっともコンパクトな3泊5日の日程の場合、カイロ周辺のピラミッド観光に絞ることになります。この場合、費用の総額はLCCやゲストハウスを利用するバックパッカースタイルなら20万円台から可能です。ただし、昨今の円安や燃油サーチャージの高騰を考慮すると、一般的なホテル泊であれば25万円〜30万円程度見ておくのが無難です。ルクソールやアスワンといった南部エリアまで足を延ばし、ナイル川クルーズを含めた周遊プランにする場合は、7日から10日間の日程が必要となり、費用は30万円から50万円程度を見積もる必要があります。特にナイル川クルーズ船での宿泊を含むプランは、移動と宿泊がセットになっているため効率的ですが、その分費用は高くなる傾向にあります。
パッケージツアーと個人手配の価格差
旅行会社が主催する添乗員付きのパッケージツアーと、航空券やホテルを自分で手配する個人旅行では、費用構造が異なります。パッケージツアーのメリットは、移動手段や観光ガイド、入場料、食事がすべて含まれている安心感です。特にエジプトはアラビア語圏であり、公共交通機関の難易度も高いため、初心者にはツアーが推奨されます。ツアー料金の相場は、スタンダードなホテルを利用する場合で30万円から45万円程度です。
一方、個人手配の場合は、格安航空券(LCCや乗り継ぎ便)やゲストハウスを利用することで、費用を大幅に圧縮することが可能です。バックパッカースタイルであれば、総額20万円以下に抑えることも不可能ではありません。しかし、現地でのタクシー交渉やトラブル対応のリスクを考慮する必要があり、コストパフォーマンスだけでなく、安全性と快適性のバランスを見極めることが求められます。
オフシーズンとハイシーズンの料金変動
エジプト旅行の費用を左右する大きな要因の一つが、旅行時期です。エジプトの観光シーズンは、暑さが和らぐ10月から4月にかけての冬期がハイシーズンとなります。特に年末年始やゴールデンウィークは航空券が高騰し、通常期の1.5倍から2倍近い価格になることも珍しくありません。
逆に、6月から8月の夏期は気温が40度を超える猛暑となるため、観光客が減少し、オフシーズンとなります。この時期はホテル代やツアー料金が下がる傾向にあります。暑さ対策を万全にできるのであれば、夏期を狙うことで費用を数万円単位で節約することが可能です。また、ラマダン(断食月)の期間中は、観光施設の営業時間が短縮されるなどの影響がありますが、混雑が緩和されるため、あえてこの時期を選ぶ旅行者もいます。

航空券・宿泊費・現地滞在費の詳しい内訳
総額の予算感をつかんだところで、次は費用の内訳を詳細に分解していきます。どの部分にお金をかけ、どの部分を節約するかを検討するための材料としてください。
日本からのフライト費用:直行便と乗り継ぎ便
エジプトへの航空券は、旅行費用の大部分を占める要素です。日本(成田)からカイロへの直行便はエジプト航空が運航していますが、運航日や便数が限られています。直行便の相場は、往復で18万円から30万円程度です。移動時間が短縮できる分、価格は高めに設定されています。
費用を抑えたい場合は、中東系航空会社(エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空など)を利用した乗り継ぎ便が一般的です。ドバイやドーハを経由するため時間はかかりますが、サービスの質が高く、価格も往復13万円から20万円程度で見つかる場合があります。さらに安さを追求する場合、中国系航空会社などを利用すれば、時期によっては往復10万円前後で購入できることもありますが、乗り継ぎ時間が非常に長くなるケースもあるため注意が必要です。
ホテルのランク別料金:ゲストハウスから高級ホテルまで
エジプトの宿泊費は、日本や欧米に比べて割安感があります。しかし、ホテルランクによる価格差と質の差が激しいため、予算に応じた慎重な選択が必要です。
カイロ市内の5つ星高級ホテル(ナイル川沿いの有名チェーンホテルなど)の場合、1泊1室あたり2万円から5万円程度で宿泊可能です。日本の同クラスのホテルと比較すればリーズナブルと言えます。中級クラス(3つ星〜4つ星)であれば、1泊5000円から1万5000円程度で、清潔で快適な設備が整っています。
一方、バックパッカー向けのゲストハウスや安宿であれば、1泊1000円から3000円程度で宿泊可能です。ただし、安宿の場合はシャワーのお湯が出ない、エアコンが効かないといった設備トラブルに見舞われる可能性もあるため、口コミや評価を事前によく確認することが不可欠です。また、ピラミッドが見えるホテルなどは人気が高く、特別なロケーション料が加算されていると考えたほうがよいでしょう。
食費・交通費・観光施設の入場料について
現地での滞在費も計算に入れる必要があります。エジプトの物価は日本より安いですが、インフレーションの影響で年々上昇傾向にあります。
食費に関しては、ローカルな食堂でエジプトの国民食「コシャリ」やサンドイッチを食べる場合、一食数百円程度で済みます。観光客向けのレストランで食事をする場合は、一食1500円から3000円程度を見積もっておくと安心です。アルコール類は宗教上の理由で提供している店が限られており、価格も高めです。
交通費については、カイロ市内であれば配車アプリ(UberやCareem)を利用するのが便利で安心です。市内移動であれば数百円から1000円程度で移動できます。地下鉄も数十円程度と非常に安価です。
注意が必要なのが、観光施設の入場料です。近年、エジプト政府は外国人観光客向けの入場料を大幅に値上げしています。主要な観光地を巡る場合、入場料だけで2万円から3万円程度の予算を確保しておくことが推奨されます。さらに重要な点として、ギザのピラミッドやエジプト考古学博物館など、主要な観光スポットのチケット売り場は「完全キャッシュレス化(現金不可)」が進んでいます。クレジットカードがないと入場できないケースが増えているため注意が必要です。
意外と見落としがちな追加出費とマネー事情
航空券とホテル以外にも、エジプト旅行には特有の出費が存在します。これらを予算に組み込んでおかないと、現地で資金不足に陥る可能性があります。
ビザ取得費用と海外旅行保険の必要性
エジプトに入国するにはビザが必要です。日本国籍の場合、カイロ国際空港到着時にアライバルビザを取得することが可能で、費用は25米ドルです(事前にe-Visaを取得することも可能です)。この費用は必ず現金(米ドル推奨)で用意しておく必要があります。
また、エジプトでは水あたりや食あたり、交通事故などのリスクがあるため、海外旅行保険への加入は必須と言えます。クレジットカード付帯の保険でカバーできる場合もありますが、補償内容が十分か確認し、必要であれば別途加入するために数千円程度の予算を見ておくべきです。
バクシーシ(チップ)文化と予算の確保
エジプトには「バクシーシ」と呼ばれるチップの習慣が根付いています。これはサービスに対する対価だけでなく、イスラム教の喜捨の精神に基づくものです。ホテルのポーター、トイレの清掃員、観光地のガイド、写真撮影の手伝いなど、あらゆる場面でチップを要求されることがあります。
1回あたりの金額は少額(数十円から数百円程度)ですが、旅行全体で積み重なると数千円になります。小銭を常に用意しておく必要があり、精神的な負担になることもあります。これは「文化体験費用」として割り切り、あらかじめ予算に組み込んでおくことで、現地でのストレスを軽減できます。
現地での両替とクレジットカード活用法
現地での支払い手段についても計画が必要です。エジプト・ポンドへの両替は、日本国内で行うよりも現地(空港や市内の両替所)で行う方がレートが良いです。米ドルやユーロも観光地ではそのまま使えることが多いため、日本円だけでなく、小額紙幣の米ドルを持参すると便利です。
前述の通り、主要観光地のチケット購入はクレジットカード限定(現金不可)の場所が急増しています。そのためVISAやMastercardの携行は必須です。一方で、ローカルな店舗やタクシー、バクシーシには現金が不可欠です。つまり、エジプト旅行では「クレジットカード」と「現金(エジプトポンドおよび米ドル)」の両方をバランスよく用意しておく必要があります。また、通信費として現地SIMカードを購入する場合も、数千円程度の費用がかかります。
まとめ
エジプト旅行の費用について、様々な角度から詳細を解説しました。以下に要点をまとめます。
- エジプト旅行の総額は3泊5日・格安スタイルで20万円台、通常は25万円以上が目安である
- パッケージツアーは安心感があるが割高、個人手配は安価だが手間がかかる
- ハイシーズン(冬)は航空券やツアー価格が高騰し、予算が上がりやすい
- オフシーズン(夏)は暑さが厳しいが、費用を抑えることができる
- 日本からの直行便は高額だが移動時間を短縮できる
- 中東経由便は時間がかかるものの、航空券代を安く抑えられる
- 高級ホテルは日本より割安で宿泊でき、コスパが良い
- ゲストハウスなどの安宿は格安だが、設備トラブルのリスクがある
- ローカルフードは非常に安くて美味しいが、衛生面には注意が必要
- 観光客向けレストランの価格は日本と同等かそれ以上になる
- 観光施設の入場料は近年大幅に値上げされており、予算への影響が大きい
- 主要観光地のチケット売り場は完全キャッシュレス化が進んでおり、クレジットカードが必須である
- ピラミッドや王家の谷などの主要スポットは入場料が高額である
- 市内移動は配車アプリを利用するのが安くて安全である
- エジプト入国にはビザが必要で、取得費用として25米ドルかかる
- 海外旅行保険はトラブルに備えて必ず加入しておくべきである
- バクシーシ(チップ)文化があるため、常に小銭を用意しておく必要がある
- エジプト・ポンドへの両替は現地で行うのが最もレートが良い
- 米ドルの小額紙幣を持参すると、チップや支払いに便利である
- クレジットカードと現金を場面によって使い分けることが重要である
最後までお読みいただきありがとうございます。費用や予算の計算は少し大変かもしれませんが、エジプトで体験できる歴史の重みや壮大な景色は、その労力を遥かに超える感動を与えてくれるはずです。しっかりと準備を整えて、素晴らしいエジプトの旅を楽しんできてくださいね。



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