エジプトへの旅行を計画する際、最も気になるのが「いくら現金を持っていけばいいのか」という点です。観光、食事、交通、そしてチップまで、エジプトでの支払いに関するすべての疑問にお答えします。この記事では、エジプト旅行における現金事情を徹底解説し、旅行者が知っておくべき重要な情報をご紹介します。
エジプトの通貨と両替について
エジプトの通貨システム
エジプトの公式通貨はエジプト・ポンド(EGP)です。一般的に現地ではジニー(Gineih)とも呼ばれています。紙幣は5、10、20、50、100、200ポンドの6種類が流通しており、硬貨は25ピアストル、50ピアストル、1ポンドが一般的です。2023年以降、プラスチック素材の新紙幣も導入されています。
現地での両替のポイント
エジプトでの両替は、空港、銀行、ホテル、両替所など様々な場所で可能です。ただし、レートが大きく異なることがありますので注意が必要です。一般的に、銀行や正規の両替所が最も良いレートを提供しています。観光地や空港での両替は手数料が高くなる傾向があります。
日本円からの両替も可能ですが、一部の両替所では日本円を扱っていない場合もあるため、USドルも少し持参しておくと便利です。銀行の営業時間は主に月~木曜と土曜の8時~13時30分、日曜は10時~12時で、金曜日は休みとなっているので注意しましょう。
高級ホテルでは24時間営業の両替所やATMが設置されていることが多く、緊急時に役立ちます。また、現在のレートは1エジプトポンド≒2.79円(2025年5月時点)程度ですが、為替レートは常に変動するため、出発前に最新情報を確認するのが良いでしょう。
エジプト旅行に必要な現金の目安
旅行スタイル別の必要金額
エジプト旅行で必要となる現金の目安は、その日の訪問先や宿泊施設の選び方、旅行の楽しみ方によって大きく異なります。例えば、地元住民向けの格安宿泊施設を利用し、お土産購入の予定がない場合と、安全性を重視した1泊1万円以上の宿泊施設を利用し、ショッピングを楽しむ場合では、必要な予算に大きな違いが生じます。
一般的な目安として、豪遊しない場合は「滞在日数×2万円」程度を保険も兼ねて持っていくと安心です。実際の例として、10日間のエジプト旅行では、1日あたり約6,000円ほどで過ごすことができたという報告もあります。ただし、これはあくまで目安であり、個人の旅行スタイルによって変わるため、自分の行動計画に合わせて調整することが大切です。
観光とアクティビティに必要な費用
エジプトの遺跡や観光スポットへの入場料は、現地の物価の安さに比べると高めです。カイロのピラミッドが約4,500円、カイロの博物館が約1,500円、ルクソール神殿が約1,000円、王家の谷ツアーが約5,000円などとなっています。これらの世界遺産や遺跡は見応えがあるため、十分な予算を確保しておくことをお勧めします。
学生証を持参すると入場料が半額になる場所もあるので、該当する方は忘れずに持参しましょう。また、一部の博物館では夕方に割引がある場合もあるので、情報を確認すると節約につながります。
食事と日常生活にかかる費用
エジプトの食費は比較的安く済みます。特にローカルの食事を選べばさらにリーズナブルになります。ビール1杯(500ml)が300円~400円、コシャリやケバブが100円~150円、スープやお肉、伝統的な料理1皿が200円~400円、コーラやスプライト250mlが60円、水500mlが15円といった価格帯です。
ホテルの朝食付きプランを選ぶと、一食分を節約できます。13日間のエジプト旅行では、食費が約17,000円だったという例もあります。ただし、高級ホテルやカフェでは価格が大幅に上がることもあるので、予算を考慮して店選びをしましょう。
エジプトでのチップ事情
チップの必要性と文化的背景
エジプトでは「バクシーシ」と呼ばれるチップ文化が根付いています。これは「留める者が貧しいものに施す」という考え方に基づいており、様々な場面でチップを求められることがあります。基本的には何かサービスを受けた時にチップを渡すことが一般的ですが、特に何もしていないのにチップを要求されることもあります。そのような場合は、無理に支払う必要はありません。
シーン別のチップ相場
タクシーに乗った際は、基本的に料金の10%~20%程度をチップとして渡します。長距離移動では、途中の検問所で運転手が警察に支払う場合があり、その分も考慮する必要があります。カイロやアレキサンドリアではUberも利用可能で、アプリ上でチップを追加することもできます。
レストランでは、食事代の約10%をチップとして支払うのが一般的です。支払いの際、合計金額にチップを上乗せして渡すか、カード支払いの場合は食事代をカードで支払い、チップは現金で直接ウェイターに渡す方法があります。
ホテルではポーターやルームメイドに5ポンド程度、枕チップとして1部屋につき1USドル程度が目安です。トイレでは係員がトイレットペーパーを渡してくれることが多く、その場合は1ポンド程度のチップを渡します。また、ナイルクルーズでは1日$5×泊数をチェックアウト時にスタッフに支払うのが一般的です。
チップは基本的には10~30エジプトポンド(約50~150円)程度が相場ですが、受けたサービスの満足度に応じて調整するとよいでしょう。
クレジットカードと現金の使い分け
クレジットカードの利用状況
エジプトでの宿泊施設やショッピングでの支払いは、クレジットカードが広く利用できます。特にVISAやMasterCardなどの国際ブランドが使いやすいですが、JCBは使えない場所が多いので注意が必要です。
クレジットカードを積極的に利用することで、多額の現金を持ち歩く必要がなくなり、盗難などのリスクを減らせます。万が一カードが盗まれた場合も、すぐにカード会社に連絡して停止することで被害を最小限に抑えられます。
現金持参の注意点
現金を両替する際は、できるだけ小額紙幣に両替しておくとチップやちょっとした支払いに便利です。多額の現金を持ち歩くことは避け、必要に応じて現地のATMからキャッシングすることも検討しましょう。クレジットカードのキャッシングサービスを利用すれば、最低限の手数料でATMから現地通貨を引き出せるため、両替手数料が無駄になりません。
エジプトでは外国人専用の料金設定があることも珍しくありません。公共交通機関や入場料など、エジプト人と外国人で価格差が設けられていることがあります。また、英語のメニューはアラビア語のメニューより価格が高いことも少なくありません。これはぼったくりというより、観光国としての収入源ですので理解しておきましょう。
まとめ
- エジプトの公式通貨はエジプト・ポンド(EGP)で、2025年5月時点では1EGP≒2.79円程度
- 両替は銀行や正規の両替所が最もレートが良く、空港や観光地は割高になりがち
- 日本円よりUSドルの方が両替しやすい場合がある
- 滞在日数×2万円程度を目安に現金を準備すると安心
- クレジットカードは宿泊施設やショッピングで広く使えるが、現金も併用すると安心
- チップ文化が根付いており、様々な場面でチップを求められる
- タクシーは料金の10~20%、レストランは10%程度がチップの目安
- トイレ係員やポーターなどには5ポンド程度が相場
- ナイルクルーズは1日$5×泊数がチップの目安
- 小額紙幣を多めに持っておくとチップ支払いに便利
- 両替手数料を抑えるならATMでのキャッシング活用も検討
- エジプト人と外国人では公式に価格差がある場合がある
- バザール等では交渉が一般的で、最初の値段の半額程度が相場
- カイロ、アレキサンドリアではUberも利用可能
- 飲料水は必ずミネラルウォーターを選ぶ
- 入場料は学生証があれば半額になる場合もある
- 観光地の入場料は現地物価と比べると高め
- コシャリやケバブなどのローカルフードは非常にリーズナブル
- 水やソフトドリンクは非常に安価
- クレジットカードは国際ブランド(VISAやMasterCard)が使いやすい
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