ピラミッドやスフィンクス、そして悠久のナイル川。人類の歴史が凝縮された地、エジプトへの旅は多くの人にとって一生の夢です。しかし、いざ計画を立てようとすると、やはり一番の懸念事項は「費用」ではないでしょうか。「円安の影響で海外旅行が高嶺の花になってしまった」「エジプトはインフレが激しいと聞くが、実際のところいくら持っていけばいいのか」といった不安の声が後を絶ちません。さらに、2024年から2025年にかけてエジプトの観光事情は劇的に変化しており、ガイドブックの情報がすでに古くなっているケースも多々あります。特に主要観光地での「完全キャッシュレス化」は、知らずに行くと現地で入場できないというトラブルに直結する重大な変更点です。この記事では、最新の航空券相場や現地の物価事情、そして新名所であるグランド・エジプト博物館(GEM)の情報までを含めた、現在もっとも現実的なエジプト旅行の予算と内訳を徹底解説します。正しい情報と資金計画があれば、エジプトは決して遠い国ではありません。
記事を読むことでわかること
・エジプト旅行(3泊5日〜7泊9日程度)に必要な、最新物価を反映した現実的な予算目安
・完全キャッシュレス化された観光地の入場料事情と、現地で必要なクレジットカード対策
・高騰する航空券代を抑えるためのキャリア選びと、個人手配・ツアーの賢い使い分け
・チップ(バクシーシ)などの現金が必要な場面と、カード決済すべき場面の明確な境界線
エジプト旅行の予算目安は?2025年版・期間別・スタイル別の相場
エジプト旅行の予算は、時期や滞在期間だけでなく、急激な物価変動や為替レートの影響をダイレクトに受けます。特に近年は「外国人観光客価格」の設定が厳格化されており、以前のような「物価が安い国」という認識だけで予算を組むと、現地で資金不足に陥るリスクがあります。ここでは、1週間前後の旅行を想定し、旅行スタイルごとの最新予算感を見ていきます。
格安旅行からラグジュアリーまで!スタイル別予算の概算
まず、費用を極限まで抑えるバックパッカースタイルの場合、総額で20万円〜25万円前後が最低ラインとなります。これは、中国系航空会社などの格安航空券を利用し、宿はドミトリー、食事はコシャリなどのローカルフード、移動は公共交通機関を徹底した場合です。以前は20万円を切ることも可能でしたが、航空券相場の上昇により底値が上がっています。一方、一般的な観光旅行として、3つ星〜4つ星ホテルに泊まり、主要な遺跡を日本語ガイドなしで巡る「スタンダードプラン」の場合は、30万円〜45万円程度を見込んでおくのが現実的です。さらに、ナイル川クルーズや、ピラミッドが見える5つ星ホテル(マリオット・メナ・ハウスなど)に宿泊し、専用車を手配する「ラグジュアリープラン」であれば、60万円〜90万円以上の予算が必要になります。特に円安の影響下では、ホテルのランクによる価格差が日本円換算で大きく開く傾向にあります。
パッケージツアーと個人手配、どちらが得か?
旅行会社が主催するパッケージツアーは、往復航空券、ホテル、移動、ガイド、そして高騰している入場料が含まれていることが多く、管理が楽なのが最大のメリットです。現在の相場では、スタンダードなツアーで40万円〜60万円程度が一般的ですが、燃油サーチャージ込みの総額で見ると、個人で一つひとつ手配する手間やリスクを考えれば、割高感は薄れています。特に、現地でのトラブル対応や、複雑化するチケット購入手続きを代行してもらえる安心感は大きいです。一方、個人手配は自由度が高く、LCCの乗り継ぎや安宿の活用でコストを削れますが、後述する観光地のチケット購入トラブルや、タクシー運転手との交渉など、すべての責任を自分で負う必要があります。「時間と手間をかけて安さを取る」か「お金で安心と時間を買う」かの選択が、以前よりもシビアになっています。
ハイシーズンとオフシーズンの価格差を理解する
エジプトの観光ベストシーズンは10月から4月頃ですが、この時期は航空券もホテルも最高値になります。特に年末年始や日本のゴールデンウィークは、航空券だけで20万円〜30万円を超えることも珍しくありません。予算を優先する場合、狙い目は酷暑となる6月から8月のオフシーズンです。気温が40度を超える過酷な環境ですが、航空券や高級ホテルの価格が大幅に下がります。また、ラマダン(断食月)の期間も観光客が減るため、価格が下がる傾向にありますが、観光施設の短縮営業や日中の飲食店の休業など、旅の制約が増える点には注意が必要です。時期を数ヶ月ずらすだけで、総額で10万円以上の節約になることも十分にあり得ます。
エジプト旅行にかかる費用の詳細な内訳を徹底解剖
総額の目安が見えたところで、具体的な費用の内訳を掘り下げます。ここ数年で変化が大きかった「航空券」と「観光費」については、特に念入りな確認が必要です。
航空券代:航空会社の選び方で変わる予算感
日本からエジプトへの直行便(エジプト航空)は利便性が高いですが、往復で20万円〜28万円前後と高額になる傾向があります。予算を抑えるために多くの旅行者が利用するのが経由便です。以前はカタール航空やエミレーツ航空などの中東系キャリアが安さの定番でしたが、現在はこれらも人気が高く、往復18万円〜23万円程度が相場となっています。現在、もっとも安価にエジプトへ行けるのは、中国東方航空や中国南方航空などの中国系エアラインです。乗り継ぎ時間が長い、遅延のリスクがあるなどのデメリットを許容できれば、時期によっては往復12万円〜15万円程度のチケットが見つかることがあります。航空券は予算の半分近くを占めるため、どのキャリアを選ぶかが総額を決定づける要因となります。
宿泊費と食費:インフレと外国人価格の二重構造
エジプトのホテル価格は、ドル建てで見れば安定的ですが、円安の影響で日本円換算では上昇しています。カイロ中心部の5つ星ホテルは1泊1室3万円〜5万円、中級ホテルで1万円〜2万円、ゲストハウスで3000円〜6000円程度が目安です。注意すべきは、予約サイトの表示価格に加えて、サービス料や税金が20%以上加算される場合がある点です。食費に関しては、ローカル向けの食堂であれば一食500円以下で満腹になりますが、衛生的な観光客向けレストランでは一食3000円〜5000円、アルコールを飲めばさらに高くなります。また、水事情が悪いためミネラルウォーターは必須ですが、観光地価格とスーパーの価格で5倍以上の差があるため、事前の調達が節約の鍵となります。
観光費の激変:完全キャッシュレス化とGEMの登場
現在、エジプト観光においてもっとも注意が必要なのが、主要観光施設の入場料支払いです。ギザのピラミッドエリア、エジプト考古学博物館、ルクソールのカルナック神殿、王家の谷など、主要なスポットのチケット売り場では**「現金の利用が不可」**となり、クレジットカード(VISAかMastercard推奨)での支払いが必須となっています。「現金しか持っていないので入場できない」というトラブルが多発しているため、必ず海外で使用可能なクレジットカードを持参してください。また、入場料自体も頻繁に値上げされており、ピラミッドエリアの入場だけで数千円、クフ王の内部へ入るにはさらに追加料金がかかります。そして、話題の「グランド・エジプト博物館(GEM)」も見逃せません。入場料は他の博物館よりも高めに設定されており、特別展示などを含めるとここだけで1万円近い予算を見ておく必要があります。観光費全体では、主要スポットを網羅する場合、最低でも5万円〜7万円程度の予算確保をおすすめします。
満足度を下げずにコストを抑える!賢いエジプト旅行の節約術
予算の壁は高いですが、知識があれば無駄な出費を防ぐことができます。最新の事情に合わせた、賢い節約術を紹介します。
通貨の使い分け:ドルと現地通貨とクレジットカード
現在のエジプト旅行では、3つの決済手段を使い分けることが鉄則です。1つ目は「クレジットカード」。前述の通り観光地の入場料や高級ホテル、ショッピングモールでの支払いに必須です。2つ目は「米ドル(現金)」。ビザ代(25ドル)や、現地ツアーの支払い、一部のお土産店では、不安定なエジプトポンドよりも米ドルが好まれます。3つ目は「エジプトポンド(少額紙幣)」。これはトイレチップやバクシーシ、ローカルな売店での買い物に必要です。日本円からエジプトポンドへの両替はレートが悪いため、日本から米ドルを持参し、現地で必要分だけエジプトポンドに両替するのがもっとも効率的です。現地通貨を余らせても再両替はほぼ不可能なため、「使い切れる分だけ両替する」のが最大の節約です。
移動手段の最適化:Uberの活用と交渉回避
現地での移動費を抑え、かつトラブルを避ける最強のツールが、配車アプリの「Uber」や「Careem」です。流しのタクシーはメーターを使わず、観光客に対して法外な値段をふっかけてくることが常態化していますが、アプリを使えば適正価格かつ明朗会計で移動できます。カイロ市内からギザへの移動なども、数百円〜千円程度で済むことが多く、交渉のストレスもありません。また、カイロ市内では地下鉄が非常に安価(数十円〜)で利用できます。ラッシュ時を避け、女性専用車両などを活用すれば、安全かつ激安で移動することが可能です。
学生証と各種パスの戦略的利用
学生の方は、国際学生証(ISIC)の持参が絶対条件です。多くの観光地で入場料が正規料金の半額になります。値上がりした入場料において、この割引効果は絶大です。また、学生でなくても検討したいのが「カイロパス」や「ルクソールパス」です。これらは指定エリアの遺跡に入場し放題になるパスで、特に「カイロパス」と「ルクソールパス」の両方を購入すると半額になる割引制度も存在します(条件は変更される可能性があるため現地で確認が必要)。主要な遺跡を短期間ですべて回る予定の方や、写真撮影のために同じ遺跡に複数回入りたい方にとっては、個別にチケットをカード決済する手間も省け、結果的に安くなるケースがあります。
まとめ
- エジプト旅行の予算は、最新の航空券相場や円安の影響を考慮して見積もる必要がある。
- 一般的な1週間程度の旅行(スタンダード)であれば、総額30万円〜45万円が現実的な目安。
- 中国系航空会社を利用したバックパッカースタイルなら、20万円台前半に抑えることも可能。
- ラグジュアリーな旅やナイル川クルーズを含めると、60万円〜90万円以上かかることもある。
- パッケージツアーは割高だが、複雑なチケット手配やトラブル回避の手間を買う意味で価値が高い。
- 予算重視なら、酷暑のオフシーズン(夏)を狙うことで航空券やホテル代を大幅に節約できる。
- 航空券は中東系キャリアで18万円〜、中国系キャリアで12万円〜が現在の相場観。
- ホテル代は、予約サイトの表示価格に加え、税・サービス料が20%以上加算される点に注意。
- 主要観光地(ピラミッド、博物館等)の入場料は「完全キャッシュレス」であり、現金払いは不可。
- 必ずVISAかMastercardのクレジットカードを持参し、利用限度額や暗証番号を確認しておく。
- 新名所グランド・エジプト博物館(GEM)の入場料は高額なため、予算に余裕を持たせておく。
- 到着ビザ(25ドル)など、公的な支払いは米ドル指定の場合があるため、米ドルの現金も必須。
- エジプトポンドはインフレで価値が不安定なため、両替は最小限にし、使い切るのが鉄則。
- トイレチップやバクシーシ用に、エジプトポンドの小額紙幣は常に確保しておく必要がある。
- 現地移動は配車アプリ(Uber/Careem)を利用することで、ぼったくりを防ぎ安全に移動できる。
- 水道水は飲めないため、スーパーマーケットで水を安くまとめ買いするのが日々の節約になる。
- 国際学生証(ISIC)を持参すれば、観光地の入場料が半額になり、数万円単位の節約が可能。
- 多くの遺跡を巡る場合は、カイロパスやルクソールパスの購入が結果的にお得になる場合がある。
- 予算を削るべき部分(移動、水など)と、かけるべき部分(安全、入場料)を明確に分ける。
- 最新情報は常に変動するため、出発直前まで外務省のサイトやSNSで現地の状況を確認する。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 刻一刻と変化するエジプトの観光事情ですが、その圧倒的な歴史遺産の魅力は何千年経っても色褪せることはありません。事前の準備さえしっかりとしておけば、現地でのトラブルを未然に防ぎ、心から感動できる旅になるはずです。この記事が、あなたの夢のエジプト旅行を実現するための確かな道しるべとなることを願っています。どうぞ気をつけて、一生の思い出に残る素晴らしい冒険をしてきてください!



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